第39回 日本国際保健医療学会 西日本地方会ユースフォーラム

医療現場に潜むスティグマ〜全ての人に医療を届けるために〜

去る3月6日、第39回日本国際保健医療学会西日本地方会ユースフォーラム「医療現場に潜むスティグマ〜全ての人へ医療を届けるために〜」を開催しましたのでご報告させていただきます。

 

今回は学会の一環として、学生から社会人まで様々なバックグラウンドで活躍されている方に参加していただくことができました。

 

今回のフォーラムでは、医師であり、かつセクシャルマイノリティ当事者でもあるしらかば診療所の井戸田一朗先生と、社会心理学を専門に様々なスティグマについて研究されている立正大学教授の上瀬由美子先生をお呼びし、ご講演いただきました。

 

井戸田先生からは、セクシャルマイノリティの方へ診療から実際の臨床現場でのお話を中心にご講演いただきました。井戸田先生ご自身も当事者であることから、当事者の方がどのような思いで病気と向き合い治療に取り組んでいるのか、どんな悩みを抱えているのかを教えてくださいました。

 

また上瀬先生からは、偏見や差別が起こる時のマインドの変化や、先入観が修正されるメカニズムなど、社会心理学の側面から私たちはどうスティグマと向き合うべきか、明瞭かつ丁寧に教えてくださいました。私自身印象に残っているのは、「自分自身の言葉や行動に説明責任を果たすことができるか」を指標としてコミュニケーションを取る、ということです。誰かに従うとき、あるいは自分が上の立場に立たされるときに、この言葉を忘れないでおきたいものです。



講演後のワークショップでは、運営委員で考えた事例を元に、どんな問題点があるか、解決策は何かについてケーススタディを行いました。参加者の皆さん一人一人が様々な意見を共有し、大いに共感した意見もあれば、運営委員が予想していなかった新たな視点からの意見もありました。スティグマについての経験を共有する座談会では、男女の違いや医師・看護師等の医療従事者同士の差別、あるいは外国人同士での差別等について、自らの内なる偏見に対する気づきやその向き合い方について学びました。

 

私自身非常に実りのある企画で、運営に携わることができて良かったと思っています。

ご参加いただいた皆様、そしてご協力いただいた先生方や運営委員に、改めて深く御礼申し上げます。ありがとうございました。来年度もjaih-sとして企画を立てて参りますので、何卒よろしくお願い致します。